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Hawaii Diary in Jun.2019

3泊5日マウイ弾丸ツアー

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Episode 0 ~ 事前準備。

3月末で16年続いたテレビ番組が終了したということで4月以降早々に行こうと計画していたものの、スケジュールをうまく調整出来ずなかなか実行に移せなかった2019年のハワイ旅行。
当初の予定では「初の5月渡航」と意気込んだが、結局延び延びになり6月に決まった。
やはり毎日か週一かはともかく、レギュラーの仕事があるのはありがたいけど、週一でも決まった仕事があれば4泊6日の旅行には行けない。
なんとかやりくりして出発日を決め、チケットを取った。

1:チケットはまずは航空券。
千歳発で直行か乗り継ぐかを決め、島を渡るならさらにもう1区間。日本航空がハワイアン航空との提携後、千歳から直行便が飛ぶのでかなり楽になった。さらに島を渡るハワイアンの乗り継ぎ便も同時にJALのWEBSITEで取ることが可能だ。これまではJAL国際線のチケットを取り、次にハワイアン航空のサイトを見て乗り継ぎに不都合を生じない時間に余裕を持って申し込む。それが全てJALのWEBSITEで取れるのは都合がいいし、万が一遅れ等が生じても保証がこれまでのバラ買いとは違ってくる。ありがたい。

2:今度はホテル。
他の島に関してはネットの予約サイトを見比べる。これが本当に大事。毎日値段が変わるどころか先日は数分躊躇しただけで1泊につき数千円も値上がりしてしまったこともある。刻々と変わるのでまるで株価みたいだが、ひとまず予約できるものはして、あとで期限内解約を繰り返すといい条件のものを探すことができる。便利な世の中。

3:そして最後にレンタカー。
何度かハワイに行ってる人でも最初の壁が高いのがこのレンタカー。その壁を乗り越えてしまえば、滞在中の移動もこれほど楽なものはないし、ハワイライフがさらに楽しく広がること間違いなし。特にここ数年の使い勝手のよさは半端ではなく。私がメンバーになっているハーツレンタカーは事前に申し込んでしまえば、空港に到着後、ほぼすぐに車に乗り込める。さらに帰りもあれこれとチェックなど無く、着いたらそのまま5分とかからずに車を離れてカウンターへ向かえる。メンバーズカードは無料で作れるので絶対に取るべき。

以上3点が決まればあとは出発日を待つだけ。
青い空と蒼い樹々、そして碧い海があなたを日常から解放してくれるだけです。

さぁ準備オッケー!

いざ出発!!

 

Day 1  6月16日(日)~ 出発。

もはや土曜日に出発する必要がなくなった。
限られた時間の中、最大限に滞在時間を伸ばすためになんとか土曜日ステドラ放送終了後、夜の便で出発をしていたのが2016年まで。ところが2017年に羽田のハワイ線が就航を突然取りやめた。
そのため他の空港からの便で向かったのだが、この乗り継ぎがいつも1時間ギリギリでヒヤヒヤ。私のせいではなくても何かトラブルで間に合わないとその後の全ての乗り継ぎがダメになるし、極端な話し、ハワイにたどり着けないということも十分あり得た。
さらには昨年は乗り継ぎ時間が55分となりついに1時間を切ってしまったため、運行規則によって「乗り継ぎができない(予約を取らない)」とまで言われたのだ。そのため日曜日の出発を余儀なくされ(その便も夜なので)結局丸1日損する羽目になってしまった。
しかし、そんなに慌てる必要がなくなった。週一のレギュラー番組を調整すると最大で前後約11日間は使える。つまり出発日をそんなに慌てなくても十分に時間が使える。さらにラジオ放送の翌日、つまり日曜日はハワイアン航空(JAL コードシェア)の千歳直行便が飛んでいる。乗り継ぎなしでハワイへひとっ飛びだ。
 

ただ一つ、気にかかることが・・・

実は義理の父の体調があんまり良くない。
数日前に東京と仙台に住む義理の兄と姉が呼び戻された。かなり危ないとも言われたがその後持ち直した。しかし危険といえば危険な状態が続いている。果たしてこんな中で家を空け、しかも海外にまで行くのが正しい判断なのか?(と冷静に言えば、全く正しくないし本来は行くべきではない。)義理の母は「行っておいで。お父さんもそう言うと思うよ。」と勧めてくれ、付きっきりで看病していた義理の姉も「気にしなくていいよ。」と言ってくれた。

出発当日の昼過ぎに病院へ見舞う。少し「ゼエゼエ」は言うものの顔色はそんなに悪くはない。意識はもう無く、会話もできないのだが、おとといのピンチを切り抜けた義理の父はその時に比べるとかなり元気そうには見えた。

改めて「行ってくる」と耳元で妻が話しかけ、病院を後にした。
思っていたよりも早めに病院を出て、空港の駐車場もスムースにすぐに入れたことで出発4時間ほど前に着いてしまった。
 

実はここまでではない予定だったが、早く来たかった理由が一つ。
それはハワイアン航空特有のアップグレード方法があるのだ。
ハワイアンのシートは通常のエコノミーとビジネスの間に「エクストラ・コンフォート」と言うシートが存在する。
昨年、搭乗手続きの際に「非常口席か、バルクヘッドはありますか?」と聞くと「ありますが、おひとり1万5000円別途かかります。」と言われた。その場で支払い確保しエコノミーでありながらシートピッチが少し広いのでゆったりと機内で過ごすことができたのだ。その名称が「エクストラコンフォート」。だからその席を取りたいのだが、私はJALでの利用なので、その辺りの予約がウェブ上で出来るのかが分からなかった。(出来たのかもしれないが)
そこで当日空港に行って変更をしてもらおうと考えていたのだ。カウンターの手続きは3時間前に始まる。だから早めに着き少し余裕を持ったつもりだったが早すぎた。
まだカウンター前はローピングもされていない。それでも「それらしき旅行者」が何人か周囲にいる。「それらしき旅行者」と言うのはズバリ「サモアン」である。サモアンとはハワイの人の中で特にポリネシア系の人たちを指す。一般的には肌の色が濃く、男女ともにかなり大柄。小錦や武蔵丸もサモアン。彼ら独特のタトゥーが入っている男の子やハワイから観光で来たと思われる旅行者が手続き開始を待っているようだ。決定的だったのは男の子は突然カバンからウクレレを取り出しポロンポロンと演奏し始めた。これぞハワイアン。70年代前半のヒッピーのギターのように常に持ち歩いているという感じ。笑 こちらもそれを聴いていると、千歳にいながらもすでに心はハワイ。グランドスタッフがいたので確認してみると(美人さん!)「間も無くです。ローピングが終わったらご案内いたします。」とのこと。すぐ横で待機することにした。ちなみにまだエクストラコンフォートはあるかと聞いたところ「大丈夫です。」との答えで少しホッとした。案の定トップ。定刻にカウンターが一斉にオープン。男性職員に導かれカウンターに「一番」で入る。ところが・・・だ。

遅い。

アップグレードは出来たようだがなぜかスムースに進まない。パソコンを見て、カチャカチャ、チケットを見てカチャカチャ・・・隣のカウンターはどんどん人が入れ替わっていくのに私のところは全く進まない。なんだか「私が悪いのか?」と言う気にさえなる。なんとなく後ろに並ぶ乗客の視線が背中に刺さる。必要な書類は全て出している。気になるのはアップグレードだけだが、それもこんなに時間がかかるのはおかしい。この男性の要領が悪いのか?私の顔が曇り出したのに気がついたのか「大変申し訳ありません。もう少々お待ちください。」と繰り返す。後ろからベテランの女性スタッフらしき人が覗き込む。10分以上いただろうか完了。

レストランで休むことにした。何しろ荷物も預けていなかったのでウロウロするのも大変。ようやく身軽になって移動したのだ。レストランで軽食を摂りながら何気なくチケットを見てみると「!」

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『SSSS(フォーエス』と印刷されている。

「ん?・・・これは・・・・」以前何かの時に読んだことがあった気がする。

確か・・・改めてスマホでチェック。

「SSSS やば〜〜」「もしも航空券にSSSSと印刷されてしまったあなた」「要注意人物」と次々と出てくる!そうだった・・・以前読んだのはこのことだった!!

 

〜 Tips 1 〜

『SSSS』とは

 

"Secondary Security Screening Selection"の略で、「2次的なセキュリティチェックに選ばれたこと」を意味する。どう言う人がこの印刷の対象かと言うと、
・FBIのテロ対策ウォッチリストに名前がある乗客
・アメリカが危険と指定している国から入国する乗客
・アトランダムに一般人 
らしい。

もちろん私は最後の項目。それに引っかかったのだ。

アメリカに入る人が対象で、付いていない人より「より厳重に」身体検査や荷物チェックが行われると言うのである。長い人だと別室で30分とも。それはどこで行われるのか。日本で?それとも入国後の空港で?ドキドキしているが、なぜか心のどこかでちょっとワクワクしている私。だって悪いことは何もしてないし、疑われるものも持ってない。
「いやぁヤバイなぁ。SSSSかぁ」なんて一応言ってみたりする。

と、冗談を言えてる人もいるのだがネットの情報を鵜呑みにして言うと、外国では人によっては数時間にわたり持ち物検査で全て調べ上げられ、カメラの中身もチェック(写真に写っている人の確認も)疲れ切る場合もあるそう。
 

 

用心のため、出国審査も少し早めに行くことにした。
ゲート前は混んでいる。

数年前の千歳では考えられなかった。

半分以上外国人だろうか。

金属探知機に。別室か?!

・・・・普通に通過。

えっ?
確かにゲートを越えてもう一度チェックされたけど、棒で体の周りを調べただけで触りもしない。「あれ?」「こんなもの?」その後、少し待って搭乗開始。チケットを機会にかざした時に地上スタッフから

「フォーエスで〜〜す。」

と合図が出た。

「キタ〜~っ!」

「少々お待ちください」と言ってきた女性の後について進むと、パーテーションで囲んだ畳3上分くらいのスペースに通された。椅子が一つとテーブルになにやら機械らしきものが載っている。案内してくれたスタッフは「あれ?ヒロさん?」と言ってる。先ほど発券をしてくれた男性職員もいた。

改めて靴を脱ぎ再検査。

「SSSSってどれくらいいるんですか?」と聞くと、

「だいたい10数人だと思います」とのこと。

(つまり30人に一人くらいはいるのかも)

ランダムに選ばれるのでまぁ仕方がない。

でも呑気に最後に入ったりしたら場合によっては遅延が発生するのではないか?とも思える。特にアメリカの敵国などからの入国は経由でも(その国の人物ではなくても)相当時間をとることだろうから注意が必要。
それでもここはやはり日本国内。
しかも幸か不幸か私のことを知っている人だったこともあるだろうか、(他の人も来たがそんなに時間はかかっていない)すぐに解放され無事機内に。

すでに乗り込んでいるカミさんの隣に行くと、「何やってたの?遅かったね。」だと。全然気がついてないやつ。
で、乗ってみて驚いたことが一つ。
アップグレードのためにお願いした「エクストラコンフォート」。実は非常口前の一列とバルクヘッドの一列のみではなく『機内の1区画』と言っていいほど大量に用意されているのだ。
もちろん体の小さい人、なるべく安く旅をしたい人はエコノミーがあるが、ビジネスほどお金をかけることはできないけど長時間のフライトを少しは楽に過ごしたい方や背の高い人にとっては「わずか数センチ」と言ってもかなりの違い。往復でひとり追加料金約3万円はかかるのだが、これを利用しない手はないと思う。ぜひ。お勧めいたします。

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直行便で一気にハワイダニエルKイノウエ(旧:ホノルル国際)空港に着。飛行時間7時間ちょっと。疲れは無し。イミグレーションもここ数年見たことが無いほど閑散としていて、もはや名物化しつつあるあのウネウネの迷路状態の審査待ちもほぼ無し。嘘みたい。

順調順調。

検査員もやさしいお兄さん。

順調順調。

荷物はすぐにカルーセルにやってきた。

順調順調。

一旦荷物をピックアップ後、歩いて10数メートルの0番ゲートで乗り継ぎのためすぐに預け直し。

順調順調。

正式に入国パス。

外に出て、まずはハワイの空気を吸って。

お〜い〜し〜い〜っ!!

順調順調。

国際線の建物からインターアイランド(ハワイの他の島行き)の建物へ歩く。荷物は預けてあるから煩わしいスーツケースのチェックなども一切無し。日本から持ってきているチケットでそのままゲートイン。

これまではJALからハワイアンなど他の航空会社の乗り換えは別に手配していたのでその都度荷物をピックアップして再び預けて・・をやらなければいけなかったのではるかにスムーズ。すごい楽チン。

ゲート前でしばらく待っていて乗り換え。ハワイアンHA226便マウイ島カフルイ行き。2012年以来7年ぶりのマウイだ。

飛行時間は約40分。カフルイ空港到着。
途中にはハワイ諸島の島々が見られる。地図を見るとわかるがハワイ諸島は実はかなりの島で構成されている。無人島、岩礁、砂州も含めると132。そのうち大きな島は8つ。
そして実際に人が行き来できるのは原則6つ。(ニイハウ島は一部、許可された一般人の入島可能。カホオラウェ島は元米軍の爆撃練習用地に着き立ち入り禁止)
ダニエル空港があるのがホノルル、ワイキキのあるオアフ島。そこから南東にむかって進む。二つの島の間にはモロカイ島とラナイ島がある。その上空を通過するのでこの航路は寝ずに窓の外を楽しんでもらいたい。機内では今はいいのか?それとも文句を言わないだけなのか?写真をいつまでも撮っていても何も言われない。ただし、ハワイアンの機体は運が悪いとかなり窓ガラスに傷がある。そのため写真を撮ることにむかない場合もある。今回はまさにそれで帰国後確認したら使い物にならなかった。

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~ Tips 2 ~

ちなみにオアフ島ホノルルからマウイ島へ向かう時は向かって右側の席がおすすめ。(これ本当に忘れる。あくまでも備忘録として記しておく。)

 

写真は2011年のオアフ島からマウイ島へのフライトの機内から。

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荷物をピックアップしてレンタカーを取りに。

観光で成り立つハワイはこういう導線などに無駄がない。看板は必ずあるし、とてもわかりやすい。その通りに歩いて行くと前に来た時(2012年)と雰囲気が違う。以前は各レンタカー会社のシャトルバスに乗りカウンターに向かっていたのだがそのバス乗り場に建物があり線路が敷いてある。しばらく待つとやってきたのが「列車」。現地では「トラム」と表示されていたが、なんとこの5月にできたばかり。約4分ほどでこれまたびっくりのレンタカー会社がごっそり入った巨大な建物に到着する。古き良き時代の列車をイメージさせた最新式のトラム。(あまりの変わりようにびっくりして写真を撮るのを忘れてしまった!)降りてレンタカー会社を探す。メジャーなハーツレンタカーはすぐに見つかり、向かうと案内板に大きく私の名前。スタッフに言うとそのままなんとカウンターでの手続き無しで車の止まっているパーキングに。
時代は変わった!青のシボレーを借りて荷物を積み込み、免許証だけ確認のため見せてそのまま外へ。ちなみに誰でもそこの車を盗んで持っていけそうな気もするが、建物の出口には堅牢なゲートが付いていて、締めてあるので最終確認をしないと絶対に出られない構造となっている。

さぁ!マウイをドライブだ。

目的地はラハイナ。

まずはホテルを目指す。

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マウイ島は以前にも書いている「左を向いた女性のうつむいた上半身」の形をしている。ちゃんとグラマーなバストまである。キュートな鼻、顎があり首の細い部分を境に西マウイと東マウイに分かれる。東側は自然に恵まれた未開発の地が多く、最東端には「ハナ」の街がある。そこへの道のりはとんでもなくうねっていて、崖から落ちても誰も気がつかないほど。
一方で 西側は開発が進んでいるところが多く。主にアメリカ本土からのハイクラスの客がこぞってやってきてバケーションを過ごす。もちろんそれぞれにあったホテルやアクティビティがあるので楽しめる。ラハイナはオールドタウンの一つ。その昔はハワイ王国の首都であり、捕鯨船の係留地でもあった。そこにあるホテルではなく今回はバケレン(バケーションレンタル)に泊まってみることにした。『マヒナサーフホテル』である。
 

 

〜Tips 3 〜

Vacation Renrals とは

所有者がいてその人が使わないときに貸し出す部屋のこと。中にある食器や電化製品等も個人の所有物。(もちろん使っても良い)ホテルと大きく違うのはキッチンがついていること。ベッドメイク等はしてくれないこと。タオルも替えてくれない。(おいてはあるのでもちろん使ってもいい。)ランドリーなどが設置されているので長期滞在者はそこで洗うことはできる。比較的低価格で宿泊が可能だが過剰なホテル並みのサービスを期待することはできない。

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到着した日は日曜日。
前もってもらっていたメールによると管理人の部屋は日曜日はクローズなので、まずは事務所の前に置かれている "FUKUCHI" と名前の入った封筒を手にいれる。
その封筒に 暗唱番号が記載されていて、事務所横の個別の箱を開ける。
その中にはルームキーが入っている。
それを持って部屋に行く・・・と言う仕組み。うまくできてる。

もちろんポーターさんはいない。自分でスーツケースをガラガラとひっぱり部屋に行く。建物はかなり古い。(実は50年ほど経っているらしい)2階建ての1階だ。
中に入ると・・・前の前に海がど〜〜ん。
素晴らしい。
 

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確かに部屋は古いがそんなことは一瞬で忘れさせてくれる景色。

ここで5日間の滞在が始まる。

キッチンとリビング、奥にはベッドルーム、真正面に中庭とプール。

そして奥には太平洋。

ワイキキあたりだとやれホテルの何階で、オーシャンビューかなどいろいろ考えることが多いが、他の島だとあれこれcオーダーを出さなくてもベストな景色を楽しませてくれる施設が多いのがありがたい。

 

荷物の整理後に近所のスーパーに買い出しに。
冷蔵庫もあるので飲み物や朝食のヨーグルトや果物。おつまみ。

デリでポキ(ポケ)とマカロニサラダ。

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帰って中庭に隣接したラナイ(ベランダ)のテーブルで食べながらサンセット鑑賞。
見事な夕暮れ。

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中庭には『毎日の恒例行事』と言わんばかりに宿泊客の家族がカメラ片手に夕日を見ている。宿泊客が無料で使えるバーベキューグリルがあり、交代で使用して肉に野菜、シーフードを焼き、夕日をバックに談笑。これぞアメリカ人という姿。

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食事後もそんな夕日の撮影をしながらベランダでカメラと格闘していると、妻が部屋から私に声をかけてきた。


「お父さん・・・亡くなったって・・・」

「えっ?!」

何を言っているのか、ピンとこない。
部屋に入るとスマホのメールを見ながら妻が「亡くなったってさ」と再びつぶやく。

 

義姉からのメールだ。
『18日亡くなる。19日葬儀です。

と短い文章で書いてある。

かなり動転しているらしい。


今はハワイ時間16日午後9時。

時差があっても日本は17日の午後4時。

まだ18日になっていない。
だからこそ余計に何かの間違いじゃないかと考えてしまう。
しかし冗談で言うことでもないし、日時の書き間違いだろうとすぐに確認の返信をいれる。
何度かやり取りをしている妻を見ながら、話しかけた。


「・・・帰ろうか?」

 

マウイ島に到着しておよそ8時間。

緊急帰国。

 

ひとまず航空会社に連絡することにした。
電話に出た担当者に事情を話すと、なにやらこう言う場合の緊急対応があるらしい。担当者の話によると、行きのフライト後に家族などに不幸が起きた場合、帰国の便の変更が行える。(ただし死亡診断書が必要)通常だとキャンセル料等がかかるのかもしれないが、「ほぼ無償での変更ができる」と言う。ただコードシェア便を利用する場合、(私たちはハワイアン航空の便)は利用機の航空会社のルールに則るために若干違うケースも考えられるなど、普段通りに、いや普段以上に動揺しているだろう相手にもわかりやすく、丁寧に詳しく説明をしてくれた。

 

で、変更に関しては一旦調べてその上で折り返しかけてくれるとうことで待つことに。

数分後かかってきた電話によると・・・

翌日(月曜)出発の千歳直行便はそもそもない。その上で乗り継ぎも調べてくれたのだが、乗り継ぎ便については全てすでに満席。遅い便だと結局、日本到着も遅く、乗り継ぎで日をまたぐ(乗り継ぎ地で宿泊)ため、その翌日の直行便でも到着時刻に差がないとわかった。そこで仕方なく明後日出発の便で帰国することになった。ただ死亡診断書を今すぐにファックス等で送れない場合はひとまず片道切符を正規料金で購入、後日死亡診断書を提出し返金してもらうことになる。日本も深夜になり、残り1時間ほどの間で家族に電話し診断書を送ることは不可能なので、一時負担の形でお願いすることにした。

 

しかし、その金額に驚く。

日本〜ハワイの片道正規料金はいくらか?

ハワイ〜千歳間片道一人、

35万8,140円。

つまり2人分で

71万6,280円。

(マウイ島〜オアフ島間も含む)

 

もちろん後日返金してもらえるから即了承したが、これが返ってこないとなった場合だったらこう言う緊急時でさえも躊躇するかもしれない。
 

結局、出発は明後日となったので1泊3日の超強行日程ではなくなった。

しかし、何しろ義父の急死に伴う緊急帰国。

明日は丸1日滞在できるわけだが、決して「よかった」とも言えない。

さらに言うと通夜はもちろん、告別式も間に合わない。妻は最初のメール以来、何かピンとこない状態のまま、日本とやり取りを繰り返しているように見える。

私は私で日本の知り合いの花屋さんに連絡し、供花の手配を済ませた。

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この日は満月。

アメリカでは6月の満月を「ストロベリームーン」というらしい。月が低く上がり進むため赤みを帯びるのと、いちごの収穫期の6月をかけているらしいのだが、この日のハワイの満月は時々雲に隠れるものの、綺麗な白か乳白色。クレーターの陰影までがはっきり写る見事な月だった。深夜まで撮影し、さらに月が低い位置に降りてくる午前4時過ぎに起きて再び中庭で撮影。徐々に明るくなっていく中、向かいのラナイ島にかかる雲に月が隠れて見えなくなるまで月を見ながら一人で過ごした。

 

Day 2  6月17日(月)~ マウイ観光。

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朝9時過ぎ起床。
と言っても寝たのが日の出後の午前6時前くらいなので睡眠時間3時間弱。
残りは今日丸一日。本来であれば無駄に過ごしたくないから朝から車で島を走り回っている時間だが、やはりそんな気になれず。部屋でソファーに座ったり、ラナイの椅子に座ったりしながら海を眺めていた。

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中庭ではアメリカ本土からの長期滞在者の女性だろうかフラのプライベートレッスンが始まった。
教えている女性はいかにもフラの先生という感じ。日焼けした肌、長い髪、体に馴染んだムームー、そしてレイ。美しい動きにしばし見とれる。
とは言っても部屋でダラダラ過ごしても仕方がない。少し近所を散歩していたら、歩いて3分の隣の小さなビーチからカミさんがびっくりした顔で戻ってきた叫んだ。

「ホヌだよっ!」。

カメラを持って私も向かう。昨日も行った周りを黒い石に囲まれた小さな砂浜のビーチ。黒い石を一つ一つ見ていくとちょっと違う形の黒石が6個。よく見るとホヌ、つまりウミガメだ。
ご存知の通りハワイでは手厚く保護されていて触るどころか、3メートル以上近づいてはいけないことになっている。少し小さい、おそらく子亀が6頭。甲羅干しに来ていた。
1時間ほどいたらしい。あっという間に時間が過ぎていく。海にもまだ数頭泳いでいた。戻る途中に旅行者の高齢の女性とあって「ウミガメがいたよ」と教えると「何頭?」と聞くので「6頭」と自慢げに答えたら「もっといるよ」と言われた。ウミガメで有名な場所だったらしい。
 

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朝食のヨーグルトを食べて車で出発。
大幅に変更になった旅のスケジュール。

しかも「まもなく昼」という最終日の午後どう過ごすか?ひとまず西側を北上してかアパルアを超えてみることに。と言ってもそこまでは車で数分。途中曇り空から強い雨に。

雲が厚くかなり広範囲に広がっている。DTフレミングビーチまで行ったものの天気は回復せず、このまま進んでも先の空も雲が広がっていることから折り返すことにした。再びラハイナを過ぎてぐるっと海岸線を南下。その後女性の上半身の顎から首筋を通って(地図のこと)北上し、空港の近くも通過しハナハイウェイに。パイアの街も通過し、ホオキパまで一気に進む。

予想は的中。晴れ間が広がる。ホオキパから再び戻りながらビーチ巡り。Lower Paia Park そしてBaldwin Beach Park に立ち寄る。この辺りのビーチは白砂でしかも奥行きも長さもある広大な綺麗なビーチが多い。何箇所か車を止めて撮影しては再び車を走らせる。家にいるよりはやはりよかったかもしれない。妻もハワイの景色を見ている間は寂しさを忘れる時間が作れる。と言うか連絡が来てからも実感はほとんどないようだが。
 

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Left : Hookipa Beach , Middle : Lower Paia Beach , Right : Baldwin Beach

再びカフルイまで戻って今度は東マウイ側の南への道を走る。キヘイの街まで行くことに。すでに夕方。西日になりつつあるKalama Parkへ。月曜日のビーチは昨日の日曜日と打って変わっての静寂さ。くつろぐ人や歩く人も数人程度。穏やかな海の向こうにモロキ二島が小さく見える。駐車場に止まっている車もホームレスらしき人の車(というと変だが、彼らは車で生活している人もいる)と怪しき住民がいるくらい。
そう言えばパイアの街でタバコ(?)を3人で回し吸いしている男女がいたり、キョロキョロしながら何やら客と金品のやり取りをしている人が。偶然そう見えたのか、それとも・・・それはわからないが、アメリカの一端をかいま見たと言えるかもしれない。

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キヘイで食事をすることに。

カラマパークのの道路を挟んで向かいにあるキヘイカラマビレッジ内。何やら食事や土産などを販売する屋台が立ち並ぶマーケットプレイス。その道路に面したオープンテラスがある店。

"Paia Fish Market South side" 。

何が美味しいのかもわからず入ったが入り口から既に結構並んでいる。メニューを見てわかりそうなフィッシュ&チップスとシーザーサラダをオーダー。あとで調べてわかったことだが、この店では一番人気だったらしい。
 

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確かにうまい!

白味魚のフィッシュフライなのだがとんでもなくジューシー!大きめの春巻くらいのサイズが4本。最初は少ないか・・・と思ったがちょうどいい量だった。
他の人もかなりの確率でフィッシュ&チップスを頼んでいたのでいいチョイスだったようだ。ちなみにアメリカではシーザーサラダをよく頼むがほとんどハズレがない。ロメインレタスに細かくした揚げパン(クルトンより大きい。なんていうの?)そしてドレッシング。日本だと小細工している割に当たり外れがあるのだが、アメリカはどこも大体一緒。で、味も決して悪くないのがシーザーサラダ。(高級ではないかもしれないけど・・・)
 

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お腹を満たした時点で午後6時10分。

ナビを見るとここからホテルまでは約50分。

日没が7時10分。

ほぼ同時刻着。

ホテルの中庭でみるか、途中にある綺麗なビーチで見るか?

微妙な時間だが西海岸を走り続けるのでさほど問題はないだろう。途中ついた時に撮りたかったポイントで何箇所か写真を撮りながら走っていくと、実は微妙に真西から外れているビーチが多く、つまり夕陽が水平線に沈むところが見られないことがわかる。いいポジションを探して車を走らせているうちにホテルに着いてしまった!笑

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結局通り越してしまったラハイナの街には今回行くことが出来ずに戻る。しかも水平線には厚い雲があり今日はサンセットは楽しめず。部屋のソファに座ったら知らぬ間にうつらうつら、起きてから荷造り開始。明日は帰国。
 

 

Day 3  6月18日(火)~ 帰国。

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快晴の朝8時にホテルを出発。
空港へ一直線に向かう。
二日前の経路を全て逆に進み行う。

昨日とは打って変わって快晴が続くマウイ。
西マウイの海岸線を一旦南下し鼻、顎、を通り、首筋を背中側に回っていく感じ。

(地図で見るとわかりやい)
カフルイ空港に到着後、「レンタカーリターン」の看板通りに進む。

この時点で出発まで約40分。ギリギリ。
例の新しいトラムに乗って空港まで4分。

そこでハワイアン航空のチェックインの機械に予約番号を打ち込むが登録が出てこない。どうやら急遽変更して取った便の登録がされていなかったがスタッフが代わりにやってくれて手続き無事完了。税関もすんなり時間をかけずに通ることができ一安心。あとはホノルル経由で帰るのみ。
 

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ふと考えてみた。


6月16日夜に出発の便で千歳を離れ、同日朝8時にホノルル着。乗り継ぎは10時の便。でマウイに約40分で到着。荷物を受け取ってレンタカーも借りてホテルまで約1時間のドライブ。12時すぎに到着。

2日後の6月18日10時の便でマウイを離れてホノルル乗り継ぎで帰国。つまり純粋なマウイ滞在時間45時間ほど。

これだけで聞けば結構時間がある気もするが、一般的なハワイ旅を「4泊6日」と考えると「2泊4日」はかなり少ない。


しかし、今回はマウイ島まで島を渡っている。

一見オアフ経由でマウイに行っているので、移動時間が勿体無いようにも見えるのだが、これが幸いしている。

と言うのも、オアフステイの場合、通常だと宿泊するホテルは3時にチェックインとなる。そのためいくら早くホテルに着いてもチェックインまでの時間を潰さなければいけない。眠たい上に着替えもできずに炎天下の中、非常に勿体無い時間を4〜5時間過ごす。 通常のパックツアーの場合は空港到着後、半日オアフ島ワイキキ周辺の観光ツアーに出かけてチェックインまでの時間を潰す。個人旅行なので当然何かで時間つぶしをしなければいけない。(レンタカーを借りていれば眠い目をこすりながらドライブも可能だが、それも結構辛い)ところが今回はマウイに11時に着後レンタカーで宿泊場所に移動し、昼着。で、宿泊がバケレンだったので、問題なくそのまま部屋に入ることができた。つまりオアフ島にいる時より時間を有効に使えている。部屋に入り、荷物の片付けし、着替えて、近所の散歩・・ドライブに出て買い出し、さらにベランダでくつろぎ、サンセットを楽しむ余裕。わずか5時間の差とはいえ、短いハワイステイでは初動がとても重要なのだ。

ここでノッキングしなかったことが滞在わずか「45時間」とはいえ今回は特に消化不良を極端に感じなかった大きな理由だろう。
 

 

ここで備忘録として一つ書き留めておく。
今回急遽チケット変更を電話でしたため、当然ながら帰りのチケット(用紙)がない。ウェブでは登録が確認されているのだが、引っかかったのはコードシェア便だと言うこと。JAL側では当然きちんとやってくれているのだが、(JALの予約番号がある)果たしてハワイアン航空側でそれがちゃんと登録されているのかが不安だった。案の定、空港の自動チェックイン機は反応せず。カウンターでやってもらうことになる。それはまだ良いにしろ、もらったチケット(用紙)はマウイとホノルル間のみ。ホノルルから日本への変更がちゃんと行われているのかはっきりとわからない上に座席もどうなっているのか?(通常のエコノミーのままアップグレードしていない)さらに言うと、混雑具合によっては夫婦二人別々のシートになる可能性もあると変更の際にJALのスタッフに言われた。


早めに確認したかったのだが時間がなく、マウイからホノルルに乗れただけでホッとしてしまい確認を忘れてしまったのだ。そのためワイキキに到着してから確認を取りたかったのだが搭乗口まで行ってもまだ誰もいない上にそもそもJAL便ではない(ハワイアンのコードシェア)ので一体どのカウンターに聞けば良いのかもわからず・・・。

 

結局搭乗手続きが始まった後に搭乗口のカウンターにJALの日本人地上勤の方がいて事なきを得たが、あれがハワイアンの現地スタッフで話がわからなかったら説明が複雑でどうなっていたんだろうか?

チケットを持っていないのだから不安で仕方がない。
(聞いたところ空港内で私を呼び出していたそう)

結局ハワイアン機恒例のアップグレード(エキストラコンフォート)125ドルで行い、さらにバルクヘッドシート 確保。帰りもゆったりと帰ることができホッとする。

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約9時間のフライト。

思えば2日前の夜、義理の父が逝去。

緊急帰国ではあったが、それなりには楽しめた。

行く予定だったところはもちろん半分も行けなかったがそれは仕方がない。

 

翌日の便が無くて2日後になってしまい、妻は通夜も告別式にも出られなかった。

隣に座る妻の顔を見ると何かまだピンときていない様子。

無理もない。

心の準備はどこかに出来ていたのだろうが、(長期入院中だった)

「もう会えない」と言う感覚はきっと今はまだ持ち合わせてはいないだろう。

6月18日夕方千歳着。

まっすぐに妻の実家に向かう。
葬式、通夜、告別式全てが滞りなく執り行われ、義理の父は居間に作られた簡易の仏壇の上に置かれた小さな箱に収められていた。

遺影を見た途端、妻は堰を切ったように泣きむせぶ。

改めて後悔の念が重くのしかかる。

「一時的に回復した」と言っても意識が戻ったわけでもなかったし、医者が一旦は「家族を呼んでください」と言ったのは旅行に行く2日前だ。どこかで私が決断すべきだった。

義理の母が「良いから行っておいで」と言ってくれたのを良いことに、そこに言い訳を見出してしまったがため妻は最愛の父の最期に立ち会えなかったのだ。


話を聞くと、「いても立ち会えなかった」ほど突然だったと言う。
それがせめてもの救いかもしれない。
 

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